今年の土星は春の星座・しし座の方向に見えています。
3月10日に、土星は地球から見て太陽の反対側に位置する「衝」となり、一番明るくなります。衝のころ、土星は日没時に東の地平線から昇り、真夜中に南中して、日の出とともにに西に沈みます。
衝を過ぎると、土星が昇ったり南中したりする時刻は少しずつ早くなっていくので、宵に天体観察する方にとっては衝以降が観察シーズンと言えるでしょう。春の間は見ごろです。しし座の位置さえわかれば、1等星レグルスよりも明るく輝く土星を見つけるのはとても簡単です。
「もうすぐ土星の輪が消える?」
もちろん、環が物理的に消滅してしまうわけではなくて、見かけ上の変化です。土星の環は何万キロメートルもの幅がある一方、厚みはせいぜい数百メートルしかありません。そのため、ちょうど水平な方向から眺めれば、まるで環が消滅したかのように見えるのです。
地球から見た土星の傾きは、公転と同じ29.5年の周期で変化します。その間に2回、つまり約15年ごとに、環の消失は発生します。今度の消失は2009年8月11日と9月4日なので、環は相当細くなっています。
ちなみに、現在は環を南側から見上げている格好になりますが、9月4日を境に北側から見下ろすようになります。その後環の傾きは大きくなり、2017年にもっとも開いた状態となります。
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